Theophylline

エビデンスレベル: L5 予測適応症: 10 件

目次

  1. Theophylline
  2. テオフィリン:気道疾患治療薬から血栓性疾患へ
    1. 一言要約
    2. クイック概要
    3. この予測が妥当である理由
    4. 臨床試験エビデンス
    5. 文献エビデンス
    6. 日本市販情報
    7. 安全性に関する考慮事項
    8. 結論と次のステップ
    9. 免責事項

## 薬剤師評価レポート

テオフィリン:気道疾患治療薬から血栓性疾患へ

一言要約

テオフィリンは、気管支喘息や慢性気管支炎などの気道疾患に用いられる気管支拡張薬として知られています。 TxGNN モデルは血栓性疾患 (thrombotic disease) に有効である可能性を予測しています。 ただし、臨床試験は 0 件で、抽出された 18 編の文献もテオフィリンの抗血栓作用を直接検証したものはなく、現時点のエビデンスはモデル予測のみです。

クイック概要

項目 内容
予測新規適応症 血栓性疾患 (thrombotic disease)
TxGNN 予測スコア 99.62%
エビデンスレベル L5
日本市販状況 ✓ 市販中
承認番号数 20 件
推奨決定 Hold

この予測が妥当である理由

現在、詳細な作用機序データはありません。テオフィリンは非選択的ホスホジエステラーゼ(PDE)阻害薬であり、アデノシン受容体拮抗薬でもあることが知られています。

PDE 阻害は血小板内の cAMP を上昇させ、血小板凝集を抑える方向に働く可能性があります。一方で、アデノシンの抗凝集作用を遮断する可能性もあります。そのため、血栓性疾患に対する正味の効果の方向は不明です。

したがって、この予測は機序的に否定はできないものの、妥当性が確認されたとは言えません。実際の抗血栓効果は検証が必要です。

臨床試験エビデンス

現在、関連する臨床試験の登録はありません。

文献エビデンス

RCT や、テオフィリンを抗血栓薬として評価した研究は見当たりません。以下は関連性の高い順に選んだ文献で、いずれも間接的な背景情報です。

PMID 年 タイプ ジャーナル 主な知見
6771102 1980 Review CRC Crit Rev Biochem プロスタサイクリンが血小板の adenylate cyclase を刺激して凝集を抑える機序の総説。cAMP 経路の背景情報
8981060 1996 未分類 Gen Pharmacol ミルリノンとアデノシンによる血小板 cAMP 上昇と凝集抑制の相互作用。PDE 阻害とアデノシンの関係を示す間接的知見
8055680 1994 Review Clin Pharmacokinet 抗血小板薬チクロピジンの薬物動態。テオフィリンは対象外
21719422 2011 Cohort Rheumatology ベーチェット病患者の血小板・好中球活性化。テオフィリンの評価はなし
15475744 2004 Case-control Inflamm Bowel Dis 炎症性腸疾患での血小板-白血球凝集体の増加。テオフィリンの評価はなし
6241135 1984 未分類 Cor Vasa 心筋梗塞や血栓性静脈炎の患者でテオフィリン抵抗性 T 細胞が増加。免疫指標の研究で抗血栓効果ではない
749930 1978 In vitro Br J Haematol 血小板第 4 因子測定の採血用抗凝固液にテオフィリンを使用。測定法の研究
25856065 2015 In vitro Platelets 血小板活性化マーカー sCLEC-2 の測定法。治療効果は対象外
14231672 1964 未分類 Z Gesamte Inn Med 血栓塞栓症による慢性肺性心の報告。抄録なし

日本市販情報

承認番号 商品名 剤形
622052202 テオフィリン徐放錠200mg「サワイ」 錠
610406407 ユニコン錠200 200mg 錠
621268701 テオフィリン徐放U錠200mg「トーワ」 錠
620008650 テオドール顆粒20% 顆粒
610406408 ユニコン錠400 400mg 錠

承認適応症のテキストは、今回のデータには含まれていません。

安全性に関する考慮事項

安全性情報については添付文書を参照してください。

なお、テオフィリンは血中濃度が高いと毒性が出やすく、治療域が狭い薬です。薬物相互作用の登録件数は 0 件ですが、検索で該当なしとなっただけです。相互作用が無いことを意味しないため、確認が必要です。

結論と次のステップ

決定:Hold

理由: 臨床試験は 0 件で、文献もテオフィリンの抗血栓作用を直接支持しておらず、エビデンスはモデル予測のみ(L5)です。さらに PDE 阻害とアデノシン拮抗で作用方向が相反するため、効果の方向自体が不明です。

なお、同じ予測リストのうち閉塞性肺疾患は、完了した Phase 3 試験(NCT01599871)を含み L1 と判定されています。ただし、これはテオフィリンの既存用途に近く、本来の意味での再利用候補とは言えません。

進める場合に必要なもの:

  • PMDA 添付文書の警告・禁忌の取得(現状は安全性審査に進めないブロッキング項目)
  • 詳細な作用機序データ(MOA)の取得
  • 血小板凝集や血栓モデルにおけるテオフィリンの前臨床データ
  • 血栓性疾患の対象を絞った臨床試験の有無の再確認

本レポートは研究参考用であり、医療上の助言ではありません。老藥新用候補は臨床での検証を経て初めて適用できます。

免責事項

本コンテンツは研究目的のみであり、医療アドバイスを構成するものではありません。 臨床応用の前に臨床的検証が必要です。



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