Terbinafine
| エビデンスレベル: L5 | 予測適応症: 10 件 |
目次
テルビナフィン:白癬から移動性ハエ幼虫症(Creeping Myiasis)へ
一言要約
テルビナフィンは経口・外用の抗真菌薬で、日本では白癬やカンジダ症などの治療に使われています。 TxGNN モデルは移動性ハエ幼虫症 (Creeping Myiasis) に有効である可能性を予測していますが、この疾患を直接支持する臨床試験は 0 件、文献も 0 編で、モデル予測のみの段階です。
クイック概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 既存適応症 | 白癬、カンジダ症、癜風、スポロトリコーシス、クロモミコーシス |
| 予測新規適応症 | 移動性ハエ幼虫症 (Creeping Myiasis) |
| TxGNN 予測スコア | 96.74% |
| エビデンスレベル | L5 |
| 日本市販状況 | ✓ 市販中 |
| 承認番号数 | 20 件 |
| 推奨決定 | Hold |
この予測が妥当である理由
現在、詳細な作用機序データ(DrugBank の MOA)はありません。パック内の機序評価によると、テルビナフィンは真菌のスクアレンエポキシダーゼを阻害する抗真菌薬です。ハエ幼虫に対する抗寄生虫作用は知られていません。
そのため、この予測の根拠は TxGNN モデルのスコアだけです。既存適応症(真菌感染症)とハエ幼虫症は病原体の種類が異なり、機序面の接点が確認できません。
ハエ幼虫症関連の他の予測(創傷ハエ幼虫症、癤腫性ハエ幼虫症、ハエ幼虫症)でも状況は同じです。取得された文献は 3 件の症例報告で、真菌症や癤にハエ幼虫症が併発した例、あるいはテルビナフィンが効かなかった例です。テルビナフィンがハエ幼虫症を治療した報告はありません。予測は、クロモミコーシスとの同時報告に引きずられた可能性があります。
臨床試験エビデンス
現在、関連する臨床試験の登録はありません。
文献エビデンス
現在、関連する文献はありません。
その他の予測候補(参考)
上位予測にエビデンスがないため、他の予測のうち根拠のあるものを参考として示します。いずれも真菌症で、既存適応症と重なる部分が大きい点に注意が必要です。
| 予測疾患 | スコア | レベル | 主な根拠 |
|---|---|---|---|
| 表在性真菌症 | 84.47% | L3 | NCT05578950(Phase 1 表記、完了、100 名)。爪白癬でイトラコナゾールのパルス療法とテルビナフィン連続投与を比較しましたが、テルビナフィンは比較対照群です。総説多数。耐性菌(T. indotineae など)が課題です。 |
| 手白癬 | 90.11% | L3 | PMID 1911319(1991 年、コホート)。テルビナフィンの 2 週間経口投与とプラセボを比較しました(53 名、評価可能 28 名)。日本での耐性菌調査(PMID 40024788)もあります。 |
| 皮膚カンジダ症 | 95.04% | L4 | PMID 9593126(1998 年、in vitro)。臨床分離 350 株を検討しました。Candida への活性は皮膚糸状菌より弱く、一定しません。総説多数。 |
| ブラストミセス症 | 91.76% | L4 | PMID 10886159(2000 年、症例報告)。パラコクシジオイデス症に対する 1 例の報告です。ブラストミセス症そのものの直接のヒトデータはありません。 |
日本市販情報
| 承認番号 | 商品名 | 剤形 | 承認適応症 |
|---|---|---|---|
| 621851101 | テルビナフィン錠125mg「ニプロ」 | 錠 125mg | 白癬、カンジダ症、癜風、スポロトリコーシス、クロモミコーシス |
| 622747800 | テルビナフィン塩酸塩125mg錠 | 錠 | 白癬、カンジダ症、癜風、スポロトリコーシス、クロモミコーシス |
| 621704801 | テルビナフィン塩酸塩外用液1%「F」 | 外用液 1% | — |
| 621706601 | テルビナフィン塩酸塩外用液1%「イワキ」 | 外用液 1% | — |
| 621817201 | テルビナフィン塩酸塩外用液1%「サワイ」 | 外用液 1% | — |
安全性に関する考慮事項
安全性情報については添付文書を参照してください。
結論と次のステップ
決定:Hold
理由: 最上位の予測(移動性ハエ幼虫症)にはエビデンスが 1 件もなく、機序上の根拠もありません。ハエ幼虫症関連の他の予測も同様です。安全性の基礎資料(PMDA 添付文書)も未取得のため、次の段階に進めません。
進める場合に必要なもの:
- PMDA 添付文書の警告・禁忌の取得(現時点で進行を止めている項目)
- DrugBank からの詳細な MOA データの補完
- ハエ幼虫症予測が共起報告による偽陽性かどうかの確認
- 参考候補(表在性真菌症・手白癬など)を検討する場合は、既存適応症との重複による再利用としての新規性の評価と、耐性菌動向の確認
本レポートは研究参考用であり、医療上の助言ではありません。予測結果は臨床での検証が必要です。
免責事項
本コンテンツは研究目的のみであり、医療アドバイスを構成するものではありません。 臨床応用の前に臨床的検証が必要です。