Pregabalin
| エビデンスレベル: L5 | 予測適応症: 10 件 |
目次
プレガバリン:神経障害性疼痛・線維筋痛症から腱炎へ
一言要約
プレガバリンは抗けいれん薬・疼痛治療薬で、日本では神経障害性疼痛と線維筋痛症に使用されています。 TxGNN モデルは腱炎 (Tendinitis) に有効である可能性を予測していますが、腱炎を直接対象とした臨床試験は 0 件です。関連する文献 6 編も、腱炎そのものの治療効果を示すものではありません。
クイック概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 既存適応症 | 神経障害性疼痛、線維筋痛症 |
| 予測新規適応症 | 腱炎 (Tendinitis) |
| TxGNN 予測スコア | 99.71% |
| エビデンスレベル | L4(間接的な文献のみ) |
| 日本市販状況 | ✓ 市販中 |
| 承認番号数 | 20 件 |
| 推奨決定 | Hold |
この予測が妥当である理由
DrugBank から詳細な作用機序 (MOA) データは取得できていません。一方、候補の機序解析では、プレガバリンは電位依存性カルシウムチャネルの α2-δ サブユニットに結合し、興奮性神経伝達物質の放出を抑えるとされています。これにより痛みのシグナルが弱まる可能性があります。
既存適応症の神経障害性疼痛や線維筋痛症は、いずれも中枢性の疼痛過敏が関わる疾患です。腱炎は疼痛を主症状とするため、この鎮痛作用が症状緩和に役立つ可能性はあります。
ただし、現時点のデータは肩腱板修復術後の周術期疼痛に関するものです。腱炎そのものへの効果ではなく、あるとしても疼痛の緩和にとどまり、腱の炎症や修復を改善する根拠はありません。
臨床試験エビデンス
現在、関連する臨床試験の登録はありません。
文献エビデンス
| PMID | 年 | タイプ | ジャーナル | 主な知見 |
|---|---|---|---|---|
| 34052386 | 2022 | RCT | Arthroscopy | 腱板修復術の術後疼痛で、周術期のプレガバリン経口投与は斜角筋間腕神経叢ブロックと同等の疼痛スコアだった |
| 32839073 | 2021 | RCT(分類上。タイトルは後ろ向きコホート研究) | J Orthop Sci | 腱板修復術後のプレガバリンの鎮痛効果とオピオイド節減効果を評価。先行研究では結果が一致していない |
| 40818536 | 2025 | Review | Arthroscopy | 梨状筋症候群(坐骨神経の絞扼)の診断と、坐骨神経剥離・梨状筋腱リリースによる治療の解説。プレガバリンの効果を検証したものではない |
| 41017607 | 2025 | Review | Praxis | シプロフロキサシン服用後のフルオロキノロン関連障害の症例報告。腱障害は同薬の副作用として言及されており、プレガバリンの治療効果とは無関係 |
| 37051935 | 2023 | Case series | Pain Pract | マラソン後の後大腿皮神経の絞扼の症例報告。長距離走による腱炎が原因とされ、プレガバリンの効果は示されていない |
| 39703364 | 2024 | Animal | Adv Pharmacol Pharm Sci | ビンクリスチン誘発末梢神経障害ラットにおける植物抽出物の効果。プレガバリンや腱炎とは直接関係しない |
日本市販情報
| 承認番号 | 商品名 | 剤形 | 承認適応症 |
|---|---|---|---|
| 622822601 | プレガバリンOD錠25mg「YD」 | 錠 | — |
| 622822301 | プレガバリンOD錠150mg「オーハラ」 | 錠 | — |
| 622831601 | プレガバリンカプセル75mg「サワイ」 | カプセル | 神経障害性疼痛、線維筋痛症 |
| 622948301 | プレガバリンOD錠25mg「VTRS」 | 錠 | — |
| 672538301 | リリカOD錠75mg(選) | 錠 | — |
安全性に関する考慮事項
安全性情報については添付文書を参照してください。
結論と次のステップ
決定:Hold
理由: 腱炎を直接対象とした臨床試験がなく、文献も周術期疼痛など間接的な内容にとどまるため、TxGNN のスコアが高くても臨床的な裏付けはありません。日本の添付文書に基づく安全性の確認も未完了です。
進める場合に必要なもの:
- PMDA 添付文書の警告・禁忌の取得と解析(現在、安全性スクリーニングに進めない要因)
- DrugBank からの作用機序 (MOA) データの取得
- 腱炎・腱障害を対象とした臨床試験、または症例研究の収集
なお、同じ予測リストの片頭痛、変形性関節症、頭痛性疾患では、臨床試験と RCT を含む文献があり、エビデンスレベルは L2 でした。優先的に検討する価値があるのは、こちらの方向性です。
本レポートは研究参考用であり、医療上の助言ではありません。予測結果は臨床的な検証を経て初めて応用できます。
免責事項
本コンテンツは研究目的のみであり、医療アドバイスを構成するものではありません。 臨床応用の前に臨床的検証が必要です。