Pirfenidone

エビデンスレベル: L5 予測適応症: 10 件

目次

  1. Pirfenidone
  2. ピルフェニドン:特発性肺線維症から特発性肺線維症以外の線維芽細胞性腫瘍(fibroblastic neoplasm)へ
    1. 一言要約
    2. クイック概要
    3. この予測が妥当である理由
    4. 文献エビデンス
    5. 日本市販情報
    6. 安全性に関する考慮事項
    7. 結論と次のステップ
    8. 免責事項

## 薬剤師評価レポート

ピルフェニドン:特発性肺線維症から特発性肺線維症以外の線維芽細胞性腫瘍(fibroblastic neoplasm)へ

一言要約

ピルフェニドンは抗線維化薬で、元々特発性肺線維症の治療に使用されていました。 TxGNN モデルの予測スコア第 1 位は肥満細胞腫(extracutaneous mastocytoma)ですが、裏付けとなる研究は見つかっていません。実際の研究が確認できた中で最も有望な候補は線維芽細胞性腫瘍 (Fibroblastic neoplasm) で、6 編の文献(主に in vitro 研究と症例報告)があります。臨床試験の登録はなく、エビデンスは限定的です。

クイック概要

項目 内容
既存適応症 特発性肺線維症
予測新規適応症 肥満細胞腫 (Extracutaneous mastocytoma)(予測スコア第 1 位)。文献で裏付けが得られた候補は線維芽細胞性腫瘍 (Fibroblastic neoplasm)
TxGNN 予測スコア 99.71%(第 1 位)/線維芽細胞性腫瘍:99.23%(第 9 位)
エビデンスレベル 第 1 位:L5/線維芽細胞性腫瘍:L4
日本市販状況 承認は取り消し済み(販売中の承認なし)
承認番号数 3 件(すべて取り消し)
推奨決定 Hold

この予測が妥当である理由

現在、詳細な作用機序データはありません。ただし文献によると、ピルフェニドンは TGF-β、PDGF、FGF、EGF などの増殖因子シグナルを抑え、線維芽細胞の増殖とコラーゲン産生を減らす非細胞毒性の経口抗線維化薬とされています。

第 1 位の肥満細胞腫、第 3 位の侵攻性全身性肥満細胞症は、KIT 変異が主な原因とされます。ピルフェニドンの機序との関連を示す根拠はなく、予測はモデルのスコアだけに基づいています。

線維芽細胞由来の腫瘍(線維肉腫、線維芽細胞性腫瘍など)は、抗線維芽細胞作用との概念的な関連があります。デュピュイトラン病由来の線維芽細胞では、TGF-β1 による筋線維芽細胞化と非 SMAD シグナルの抑制が in vitro で示されています。ただし抗線維化作用が抗腫瘍効果を意味するわけではありません。隆起性皮膚線維肉腫(DFSP)は COL1A1-PDGFB 融合が原因で、ピルフェニドンを支持する証拠はありません。

文献エビデンス

対象は線維芽細胞性腫瘍(第 9 位)です。臨床試験の登録はありません。

PMID 年 タイプ ジャーナル 主な知見
12907346 2003 症例集積(パイロット) Am J Gastroenterol 家族性大腸腺腫症に伴うデスモイド腫瘍に対するピルフェニドンの有効性を評価したパイロット試験
27835939 2016 In vitro BMC Musculoskelet Disord デュピュイトラン病由来線維芽細胞で TGF-β1 を介した作用を抑制
30927912 2019 In vitro BMC Musculoskelet Disord TGF-β1 刺激による非 SMAD シグナル経路への影響を検討
35129055 2022 In vitro Pharm Dev Technol デュピュイトラン病に対する局所注射用抗線維化薬としての可能性
29702057 2018 症例報告 Perm J ピルフェニドン使用後に未分化多形肉腫が発生した症例(安全性上の注意)
32572469 2020 症例報告 Rheumatology (Oxford) 全身性強皮症患者で、ミコフェノール酸モフェチルとピルフェニドンにより多発性皮膚線維腫が悪化

日本市販情報

3 件の承認はすべて取り消し済みで、現在有効な承認はありません。

承認番号 商品名 剤形 承認適応症
620008559 ピレスパ錠200mg 錠200mg(経口) 特発性肺線維症
670008559 ピレスパ錠200mg(選) 錠200mg(選)(経口) 特発性肺線維症
622788201 ピルフェニドン錠200mg「日医工」 錠200mg「日医工」(経口) 特発性肺線維症

安全性に関する考慮事項

  • 薬物相互作用:100 件の相互作用が報告されており、リストの上位はいずれも中等度(Moderate)です。主なものは次のとおりです。
    • CYP 関連:シメチジン、オメプラゾール、ランソプラゾール、エソメプラゾール、ブプロピオン、チクロピジン
    • 抗真菌薬など:ミコナゾール
    • その他:エリグルスタット、オベチコール酸、ナルトレキソン、ニチシノン、ジスルフィラム、プリマキン、イバカフトル
  • 腫瘍に関する安全性の注意:ピルフェニドン使用後に肉腫が発生した症例報告(PMID 29702057)と、皮膚線維腫が悪化した症例報告(PMID 32572469)があります。因果関係は未確認ですが、腫瘍領域への応用では注意が必要です。

警告・禁忌については添付文書を参照してください。

結論と次のステップ

決定:Hold

理由:

  • 予測上位の疾患(肥満細胞腫、線維肉腫など)には臨床試験も文献もなく、エビデンスは L5(モデル予測のみ)です。
  • 線維芽細胞性腫瘍には L4 の前臨床・小規模パイロット研究がありますが、腫瘍発生に関する症例報告もあり、現段階で臨床開発に進める根拠は不十分です。
  • 日本の承認はすべて取り消し済みで、販売実績の面でも支えがありません。

進める場合に必要なもの:

  • 添付文書の警告・禁忌の確認(現在データなし)と、安全性スクリーニングの実施
  • 詳細な作用機序データの取得
  • 線維芽細胞性腫瘍およびデスモイド腫瘍での前臨床データ(腫瘍細胞株、動物モデル)の追加
  • 腫瘍発生リスクに関する安全性の精査
  • 剤形・投与経路の適合性評価(現在は経口錠のみ)

    免責事項

本コンテンツは研究目的のみであり、医療アドバイスを構成するものではありません。 臨床応用の前に臨床的検証が必要です。



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