Budesonide

エビデンスレベル: L4 予測適応症: 10 件

目次

  1. Budesonide
  2. ブデソニド:気管支喘息・クローン病・潰瘍性大腸炎 から アトピー性湿疹 へ
    1. 一言要約
    2. クイック概要
    3. この予測が妥当である理由
    4. 臨床試験エビデンス
    5. 文献エビデンス
    6. 日本市販情報
    7. 安全性に関する考慮事項
    8. 結論と次のステップ
    9. 免責事項

## 薬剤師評価レポート

ブデソニド:気管支喘息・クローン病・潰瘍性大腸炎 から アトピー性湿疹 へ

一言要約

ブデソニドはグルココルチコイド受容体作動薬で、日本では気管支喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎の治療に使われています。 TxGNN モデルはアトピー性湿疹 (Atopic Eczema) に有効な可能性を予測していますが、根拠は 2 件の臨床試験(いずれも関連度は低い)と 20 編の文献にとどまります。 文献の大半は前臨床研究か接触感作・安全性の報告で、アトピー性湿疹への有効性を直接示す臨床エビデンスはありません。

クイック概要

項目 内容
既存適応症 気管支喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎
予測新規適応症 アトピー性湿疹 (Atopic Eczema)
TxGNN 予測スコア 99.96%
エビデンスレベル L4
日本市販状況 ✓ 市販中
承認番号数 16 件
推奨決定 Hold

この予測が妥当である理由

ブデソニドは抗炎症作用を持つグルココルチコイド受容体作動薬で、気道や消化管の粘膜炎症を抑える薬として使われています。 現在、詳細な作用機序データはありませんが、承認情報から、グルココルチコイド受容体への作用を介して炎症性サイトカインの産生や免疫細胞の浸潤を抑えると考えられます。

アトピー性湿疹は Th2 型の皮膚炎症を特徴とする疾患で、副腎皮質ステロイドは標準的な治療手段のひとつです。 既存適応症である喘息や炎症性腸疾患もアレルギー性・免疫介在性の炎症疾患です。そのため、ブデソニドが皮膚の炎症にも効く可能性は、機序の面では無理がありません。

ただし、直接の裏付けは、皮膚外用向けの pH 応答性ナノ粒子ハイドロゲルの前臨床研究や、イヌのアトピー性皮膚炎を対象とした試験などに限られます。 ヒトのアトピー性湿疹に対する臨床試験のエビデンスは確認できていません。 また、日本の承認製剤は吸入液・吸入粉末剤のみで、皮膚に使うには投与経路の課題があります。

臨床試験エビデンス

試験番号 フェーズ 状態 被験者数 主な知見
NCT04680117 該当なし 不明 150 小児重症喘息のエンドタイプを免疫・代謝・微生物叢の解析で特徴づける研究。アトピーの背景のみで、ブデソニドによる湿疹治療の検証ではありません
NCT01028560 Phase 1/2 完了 58 喘鳴を繰り返すアトピー性小児で、アレルゲン免疫療法による喘息予防効果を検討。アトピー機序を支持するのみで、湿疹治療の直接的根拠ではありません

文献エビデンス

PMID 年 タイプ ジャーナル 主な知見
21062310 2010 RCT(イヌ) J Vet Pharmacol Ther 0.025% ブデソニド外用コンディショナーが、イヌのアトピー性皮膚炎で皮膚病変とそう痒を軽減(ヒトでの試験ではありません)
14616123 2003 Review Allergy 喘息患者におけるコルチコステロイドアレルギー。遅延型接触アレルギーが比較的多いと報告
19571596 2009 Review Neuroimmunomodulation 鼻噴霧ステロイドと副腎抑制。全身性の副作用評価の観点を整理
38275852 2024 In vitro Gels (Basel) ブデソニド封入 pH 応答性ナノ粒子をハイドロゲル化し、小児アトピー性皮膚炎の局所療法を目指した製剤研究
9496795 1998 臨床試験(非盲検、小規模) Pediatr Dermatol 小児 14 例で、外用ブデソニドの短期成長への影響を下肢長測定で評価
8864369 1996 コホート Dermatology 外用ステロイドで治療した小児アトピー性皮膚炎で、IGF 系と骨・コラーゲン代謝への影響を検討
33931866 2021 パッチテスト調査 Contact Dermatitis イタリアでのブデソニドのパッチテスト結果。ブデソニドはステロイド過敏症のマーカーで、近年は陽性率が低下傾向
24603519 2014 コホート Dermatitis アトピー性皮膚炎の青年・成人における、ステロイド系ハプテンを含む接触過敏症の頻度
35133669 2022 症例対照 Contact Dermatitis アジアの皮膚科センターで、アトピー性皮膚炎患者の接触感作パターンを比較
19183418 2009 コホート Allergy アトピー性皮膚炎の小児 641 例で、外用治療によるアレルギー性接触皮膚炎の頻度と危険因子を検討

日本市販情報

承認番号 商品名 剤形 承認適応症
622701801 ブデソニド吸入液0.25mg「武田テバ」 2mL 吸入液 気管支喘息、クローン病、潰瘍性大腸炎
622816601 ブデホル吸入粉末剤30吸入「ニプロ」 吸入粉末剤 —
671950701 シムビコートタービュヘイラー30吸入(選) 吸入剤 —
622700301 ブデホル吸入粉末剤60吸入「JG」 吸入粉末剤 —
622702701 ブデホル吸入粉末剤60吸入「MYL」 吸入粉末剤 —

安全性に関する考慮事項

安全性情報については添付文書を参照してください。

文献では、ブデソニドを含むコルチコステロイドで接触アレルギーや全身性アレルギー反応が報告されています。アトピー性皮膚炎患者への皮膚適用では、この点に注意が必要です。 小児では、外用ステロイドの経皮吸収による成長への影響も検討されています。

結論と次のステップ

決定:Hold

理由: TxGNN スコアは高いものの、アトピー性湿疹に対するヒトでの有効性を直接示す臨床試験も文献もなく、エビデンスは前臨床レベル (L4) です。 日本の承認製剤はすべて吸入剤で、皮膚への適用には別の製剤が必要です。さらに、添付文書の警告・禁忌の情報が未取得のため、安全性スクリーニングに進めません。

進める場合に必要なもの:

  • PMDA 添付文書の警告・禁忌の取得と解析(進行を止めている最優先の課題)
  • DrugBank からの作用機序データの取得
  • 皮膚外用に適した製剤・投与経路の検討(現行の承認剤形は吸入のみ)
  • ヒトのアトピー性湿疹を対象とした臨床エビデンスの探索(既存のステロイド外用剤との比較を含む)
  • 小児への適用を想定した、接触感作・副腎抑制・成長への影響の評価計画

    免責事項

本コンテンツは研究目的のみであり、医療アドバイスを構成するものではありません。 臨床応用の前に臨床的検証が必要です。



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